ROの基礎知識

はじめに

とりあえずは概略のみ。
サイト内での完結性と言った事はよくばらず、他サイトへのリンクなども多用しますので、あしからず。

RO浄水器とは?

逆浸透膜( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E6%B5%B8%E9%80%8F%E8%86%9C )を使った浄水器のことです。
北米の浄水器市場においては占有率が70%を超えていると言われていますが、日本では絶対ユーザ数が少ない
ため、誤解に基づく誤った情報、悪徳浄水器業者による意図的なミスリード情報が、ネット上で散見される
状態の上、それらの誤った情報に騙されたネットユーザ、浄水器ユーザ達が、
誤った情報を口コミやブログで拡散してしまっている、という状態です。

RO浄水器の特徴

日本の家庭で従来から使用されている浄水器とは、いろんな観点でイメージが異なり、
導入を検討するにあたっては、そのイメージの違いを十分に認識しておくことをお薦めします。

・浄水器に通した原水の全てが浄水として処理されるのではなく一部のみが浄水になり残りは排水となる。
浄水:排水の比率は、1:2~1:5程度。一般的には1:3。つまり、浄水1Lの為に、原水が3L~6Lが必要。

・浄水の生成速度が非常に遅いため、浄水をためて使うことが基本的な使い方となる。

・浄水をためるためのタンクが付加されたモデルと付加されないモデルの2通りがある。

・高圧の水圧をRO膜にかけないとRO膜本来の高性能が得られない。
 日本の水道水圧のみでは圧力不足になって低性能化してしまうケースがある。
 タンク付きモデルで圧力タンクという圧力がかかったタンクに浄水にためるモデルの場合は
 電動加圧ポンプかERPポンプ(FAQ参照)を付加しないと除去率が低下するケースが多々ある。

・一部のRO販売業者はポンプなしでも問題なく運用できると主張しているが、
 1)「問題のなく運用できる」と言う除去率を低く設定しているだけの業者
 2)個別ユーザの水道水圧状況に応じてROセットの設定調整を細かく行う高い技術力をもつ業者
 が混在しているためポンプの要・不要判断は、ユーザ自らが自宅の水道水圧値を把握した上で、
 「この水道水圧でどれくらいの除去率が保障できるか?」などの質問を業者に行って、1)と2)の区別を
 つける必要がある。

・逆浸透膜の性能は季節や運転の仕方で変化する。
 特にタンクなしモデルでは「捨て水」を!
 詳細は逆浸透膜の性能特性参照。

・不純物は排水に捨てられるためRO膜フィルタの寿命は2~3年と長い。

・RO浄水器は総称であり、実際のRO浄水器は、RO膜フィルタ以外に、カーボンフィルタ、イオン除去フィルタなどの
 動作原理の異なるフィルタ群を組み合わせてSYSTEM化したものである。

・このため日本製の非RO式の浄水器に比べるとフィルタ段数が4~6と多く装置も大きい傾向にある。

・フィルタ寿命はフィルタ種別毎、段数毎に異なる。日本製浄水器のように一斉に全フィルタを交換というわけではない。

・海外製RO浄水器は大手部品メーカが製造する部品を使って各販売SHOPが浄水器に組み立てて販売しており、
 これら部品の互換性は高く、日本製の浄水器のように、浄水器本体メーカからしか交換フィルタが入手できない、
 といったことはない。

・個々のRO浄水器の詳細については、その浄水器が採用しているフィルタ段数構成
(何段目にどんなフィルタを配置しているか)に大きく依存している。

・細かいレベルでの浄水器の構成には色々なバリエーションはあるが、
 基本的な構造は大差がないことが多い。(一部の例外はあり、要注意)

・浄水器が生成する浄水の品質を一般家庭で安価に安直にTDSメータを使って確認する方法が確立されており、
 適切な知識を有していれば、個人で維持・メンテナンスを行うことは難しいことではない。

・購入時セットの状態から、フィルタ段数を増やしたり、RO膜フィルタを容量の大きい物に交換したり、
 といった改造・改良が一般ユーザにおいてごく普通に行われており、USのamazon.com,
 オークションサイトのebayでは、RO浄水器の交換パーツ、アップグレードパーツが廉価で流通しており
 一般消費者向け部品市場が確立している。
 非純正のパソコンの増設メモリ、増設ハードディスクを専門家ではない一般消費者がネットで注文し自分で取り付ける、
 というのと同じ消費行動が家庭用浄水器分野においても行われているということ。

・上記のような特徴から、RO浄水器は国内では高価格イメージがありますが、
 海外では大衆化が進んでおり内外価格差が非常に大きい。(5万円~20万円vs1万円~5万円)

RO浄水器導入を検討を行う際の心構え

日本においても3.11以降の原発事故を契機に、
放射性物質を懸念する一部のユーザ層から注目を浴び、かつ、国産品が高価格であることから、
輸入品に注目するユーザも多くなったわけですが、このようなユーザ層は、まず

「浄水器メーカのカタログを比較検討して購入型番を決めて購入し
 1年毎に同じメーカから交換フィルタを購入して交換して使うもの。
 設置場所は水道水さえあればどこでも良く、浄水の勢いは水道水とさほど変わらないもの。」

という日本での浄水器の一般的常識自体を捨ててかからねばなりません。

お買いもののノリとしては、
「どの型番の***を買えばよいかな」
ではなく、
「どんな仕様の***を買って何を追加しようかな」
というようなノリです。

まさに、秋葉原のSHOPブランドの組み立て済みパソコンをベースとして、メモリ、HDD、ソフトウエアを追加買いして、
インストールして使う、というのと同じノリが本質的には必要になってくることになります。

国内のRO浄水器販売SHOPから調達する場合でも、そのSHOPが、RO+DI型をホームページで宣伝していなくても、
「DIフィルタをオプションで装着できますか?」と問い合わせ見れば、「できます」という回答がくるSHOPもあります。

単に「綺麗な安全な水が手に入ればよいのだが」というユーザからすれば、しちめんどうくさいこと、まちがいなし!
なのですが、「***安く***綺麗な安全な水が手に入れる」ために代償と考えるしかないでしょう。

「うーん。それは敷居は高そう・・・」と思われるかもしれませんが、

行動力のある一部の奥様方は「家族の健康を守るため!」の一念で、3月後半の時点で果敢にe-bay.comに突撃し、
USの大衆向けに出品・販売されているRO浄水器を落札し、スレ住人の突き放したアドバイスだけで、
独力、あるいは強引に周辺の助力を使って、取り付けを敢行し、水の安全を早期に確保されています。

その気になれば、さほど難しいことではないはずです。

RO浄水器の2大モデル

RO浄水器には浄水の利用目的に応じた、二通りのモデルがあります。

(A)熱帯魚、サンゴの飼育愛好家向けのアクアリウム用のRO浄水器
(B)人用のRO浄水器(タンク付きアンダーシンク型)

北米でRO浄水器をネット販売しているSHOPの中には、上記の2種類の両方を販売していることもあります。
上記の(A)(B)の違いとして、

(B)には蛇口や浄水を貯めるタンクが付加されているが(A)には蛇口、タンクは付加されていない。
(A)を人用に流用するにはペットボトルやアウトドアレジャー用のタンクと組み合わせて使うのが一般的
(B)には、タンクのデメリット解消を目的としたポストカーボン、UVフィルタという付加フィルタが付加される事がある。
(B)には、ミネラル付加フィルタ、PH調整フィルタなどが付加されることもある。
(A)には、ROが生成した浄水の純度をさらにあげるためのDIフィルタ(イオン除去フィルタ)が付加される。
(B)には、DIフィルタが付加されていないケースが多くみられる

という差はあるのですが、RO膜フィルタとその前段のプレフィルタの構成は(A)と(B)で、似通っていることが多いと
言えましょう。

SHOPによっては、(A)と(B)の両方の特徴を備えた、人向けの浄水と熱帯魚・サンゴ用の浄水の、
2種類の浄水出口を備えたRO浄水器を販売している所もあります。

(A)(B)以外に、

(C)カウンタートップ型の人用RO浄水器
(D)タンクを持たない人用のRO浄水器

などもありますが商品種類数が少なく、割高な印象を受けます。

2ch本スレ、本wikiでは、
(A)を、お魚モデル、お魚用
と呼称し、
(B)を、タンク付きモデル、アンダーシンク型
と呼称しています。

選択肢としての国産品

部品も含め日本で生産されている家庭用の逆浸透膜浄水器というものは
ほぼ存在しないと言って言いすぎではないでしょう。

ですからここでは「国産品」というよりは日本国内で日本語を使って問い合わせが可能で
日本円で購入可能な逆浸透膜浄水器を対象に説明します。

これらは以下のように分類できます。

(1)海外で人向けに販売されているRO浄水器を国内向けに輸入販売
(2)標準化された逆浸透膜浄水器部品を輸入し販売店ノウハウを元に組み立てた人向けモデル
(3)標準化された逆浸透膜浄水器部品を輸入し販売店ノウハウを元に組み立てた熱帯魚向けモデル
(4)ヤフーオークションに出品されている商品発送地が海外のRO浄水器
(5)日本語のネットSHOPであるがSHOPの所在地が海外のRO浄水器
(6)外国の浄水器ベンダの日本支社が日本市場向けに販売している浄水器(例:コーウェイ社)
(7)タンクなしの低価格人向けRO浄水器

それぞれについて概説します。

(1)海外で人向けに販売されているRO浄水器を国内向けに輸入販売
 ほとんど本スレで言及されたことがありません。
 20万台とか高価格すぎてユーザ数がすくなく、かつ、本wikiで「推奨セット」としているような
 個人輸入品にくらべて価格上では全く競争力がありません。
 DIYでの取り付けがムリ。家庭用ではなくて飲食店での利用で法規制準拠品が必要
 といった理由の場合に選択対象になります。
 最近、個人輸入を行った場合との価格差が+1万円~+2万円程度の価格で
 提供されている事例も見かけられます。非常に喜ばしいことなのですが、
 その分、販売業者の取り分(マージン)は減っているわけですから、
 以下にご注意ください。

 a)取り付け費用や、自分で取り付ける場合のサポート(TEL相談)が含まれていないかも。
   結局、自分で頑張って取り付けてください、ということならさして
   個人輸入と差がなくなってしまいます。

b) 日本国内関連法規が要求する各種手続き、検査はおこなってはおらず、
   注文があったら、海外販売元から購入者へ「個人輸入扱い」で通関して直送している
   だけかもしれません。この場合は、実質、「輸入販売」ではなく、単に、
   「個人輸入支援」をやってくれるだけになります。飲食店が顧客に提供する
   飲み水のために購入する場合には、法規制をクリアせねばなりませんから、
   このような場合には「法規制」のクリア状況を事前確認しましょう。

(2)標準化された逆浸透膜浄水器部品を輸入し販売店ノウハウを元に組み立てた人向けモデル
 購入者のレポートがなされた事はありませんが、
 一部の技術力が高く、価格が比較的リーズナブルなSHOPに関しては、本スレで話題にあがっています。
 上記(1)に比べれば安価なケースもありますが、10万台に近い価格になるようです。
 技術力が高いSHOPを選んで、コンサルタント料が含まれた価格と受け取れるなら
 妥当な価格とも言えます。

(3)標準化された逆浸透膜浄水器部品を輸入し販売店ノウハウを元に組み立てた熱帯魚向けモデル
 価格帯としては、人用浄水器を個人輸入するのと、ほぼ同じ価格帯です。
 人向けに販売されていないため、国内法規制の対象外となり、このため価格がリーズナブルです。
 人向けには販売されていませんが、熱帯魚、サンゴ飼育には非常に純度の高い純水が必要であり、
 イオン交換樹脂フィルタを搭載するなど、性能面でも最も優秀ということもあり、
 本スレでも人気が高いモデルです。使っている部品も人用の浄水器と共通の物が多い事、
 逆浸透膜フィルタは、人用のものと全く同じものである事から、本スレでは、
 「お魚モデル」を購入し人向けに転用利用するのが最もてっとり早い
 と考えられています。代表的な機種としては「クロノスレイン」があります。
 ただし、浄水の貯水に関しての機能はもっていないので、貯水の工夫を、利用者のRO水のニーズに
 応じて利用者が、ペットボトルにためる、アウトドア用水タンクにためる、といった
 ことを行う必要があります。このため、てっとりばやさよりも、貯水タンクを持ち蛇口から
 浄水をとりだして使えることに拘りたい、と考えるスレ住人は、
 アンダーシンク型の人向けモデルを個人輸入してDIY取り付けするやり方を選択しています。

(4)ヤフーオークションに出品されている商品発送地が海外のRO浄水器
 中華圏の浄水器に多いパタンです。これは、日本円、日本語をつかった取引ですが
 個人輸入です。出品されているセットの構成の目利きを行う力が求められます。
 (詳しくはFAQをごらんください。)
 個人輸入は、人用浄水器であっても、国内法規制の対象外です。

(5)日本語のネットSHOPであるがSHOPの所在地が海外のRO浄水器
 一部のUSの逆浸透膜浄水器SHOPが日本向けの「でみせ」を設置しているケースです。
 これも個人輸入です。本スレでも購入レポはありません。
 個人輸入は、人用浄水器であっても、国内法規制の対象外です。

(6)外国の浄水器ベンダの日本支社が日本市場向けに販売している浄水器(例:コーウェイ社)
 コーウェイ社以外にこのタイプの企業が本スレで話題になったことはありません。
 コーウェイ社に関しては、「導入レポ」「導入相談」の書き込みが度々行われており、
 その結果として、本スレでは、「買ってはいけない浄水器」認定がなされてると
 言っても過言ではありません。あまりの酷さに、スレ住人の一部が、企業批判の
 ブログエントリを立ち上げて個人的批判をはじめてしまう有様です。

(7)タンクなしの低価格人向けRO浄水器
 「オレガノのレンタルRO浄水器」、「ショップTOM」が該当します。
  基本的な設計は、(3)と似ていますが、「人向け」として販売されており、
  食品安勢衛生法の検査も受けています。その分だけ(3)よりは高めになります。
  なお、(3)にしても(7)にしても「捨て水」を行わないと、
  純度の高いRO水が得られない事は要注意です。(逆浸透膜の性能特性参照)
  特に台所蛇口に簡単に直接取り付けた場合の使い方に要注意!
 日本の他の蛇口取り付けタイプの浄水器と同じノリで使ってしまうと、
  純度が低いRO水しか得られません。


上記、どの分類も価格差の大小はあるにしても、
直接個人輸入してDIYで取り付ける場合に比べればかかる費用は高くなると考えてよいでしょう。
その価格差は、単純に、全て、ボッタクリと決めつけるべきものではなく
価格差に見合った何らかの付加価値を提供しており、
利用者にとってその付加価値が価格差に見合うものであるならば、
それは「ボッタクリ」ではないと言えます。

アンダーシンク型のRO浄水器を輸入する場合「取り付け工事をどう行うか」が
素人には大きな課題となりますが、
(もっとも、実は、そんなに大したことではない、との意見もある)
国産品の場合は、そういった心配は少ないようです。

販売業者が有料にしても工事の面倒まで見てくれます。
自分で取り付け工事ができない、取り付けてくれる水道工事業者を見つけることができない、
と言ったユーザ層に対しては国産品を提供している業者は「ボッタクリ業者」ではなく、
「ユーザが必要としている付加価値を提供している業者」とも言えるわけです。

ro_set_selectionに、セットの選択、SHOPの問い合わせ観点などについてまとめてあります。


「国内レンタル業者」に関しての評価については、FAQの方をごらんください。

小見出し

本文テキスト。

  1. 番号つきリスト
  2. 番号つきリスト
  3. 番号つきリスト

  • 最終更新:2017-05-17 23:29:46

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